171cm Under Club
中日が今回ドラフト6巡目に指名した鎌田内野手について。
まずは鎌田選手がドラフト候補にのぼったことを最初に報じた中日スポーツの記事を参照してみよう。
「即戦力の野手が欲しい。特に守備ですぐに1軍で使えて、なおかつ下位指名で取ることが可能な選手」。現場からの難問をつきつけられて、すぐに中田部長の頭の中にひらめいたのが鎌田だったという。
この文面からは隠し玉という表題とは裏腹にお家の事情でお鉢が回ってきた本来ドラフトには掛からなかったはずの選手というニュアンスが滲み出ているような気がする。
本稿ではよけいなお世話かつ鬼が笑い死にするような話しながら鎌田選手の成功の可能性について論じてみたい。
さて、まずここで170cm以下*1の現役プロ野球選手を挙げてみたい。*2
- 田中一徳 横浜 165cm
- 仁部智 広島 166cm
- 大島公一 オリックス 167cm
- 小坂誠 千葉 168cm
- 奈良原浩 北海道 168cm
- 久慈照嘉 阪神 169cm
- 石川雅規 ヤクルト 169cm
- 平野恵一 オリックス 169cm
- 赤星憲広 阪神 170cm
- 真中満 ヤクルト 170cm
- 万永貴司 横浜 170cm
- 藤井彰人 近鉄 170cm
- 稲嶺誉 福岡 170cm
- 高須洋介 近鉄 170cm
- 武田久 北海道 170cm
- 藤井宏海 千葉 170cm
<参考:条件に該当する往年の名選手達>
ちなみに主な次点(171cm)選手としては仁志(巨人)、東出(広島)等が挙げられる。
総勢16名の中でほとんど一軍で実績を残していないのは仁部(広島)、藤井(千葉)稲嶺(福岡)、武田(北海道)の4選手。しかし、いずれも3年未満のこれからの選手といえる。残りの選手は1シーズン以上レギュラー(若しくはローテーション投手)としてのシーズンを経験した選手が半数の8名、守備固め、代打等でチームの戦略に組み込まれた準レギュラーとしてのシーズンを経験した、もしくはレギュラー争いを演じその年の半数以上の試合に出たシーズンを経験した選手4名。一定の、しかも一般的には不利と言われる条件で切り取った集団の成績としては異常なまでの良い成績といえる。
もちろん、このデータは2004年シーズン在籍者に限ったものなので、その裏には多くの敗れ去っていった選手達がいたことは想像できる。
しかし、元々身長が低い時点でフィルターがかけられ、プロ入りの機会が狭められていることを考えるとこれらの選手は多くがアスリートとしてフィルターを突き破るほどの高い評価があって入団してきていることも想像できる。
つまり彼らの高確率での活躍にはそれなりの裏付けがあると言える。
さて、ひょっとしたら能力以上にプロで成功する要因としての比重が高いかもしれないと言われる性格についてはどうだろうか。
ドラフト後に掲載された記者の鎌田選手に関する第一印象を伝える中日スポーツ掲載記事がある。
井端さんは守備範囲にきた打球は、確実に、正確にアウトにする選手だと思います。自分もそういう基本は変わりませんが、あとは人が評価することだし…。ただ、争いに絡みたいとは思っています
新聞記者の耳というフィルターを通した発言であり、そのまま鵜呑みには出来ない部分もあるが仮に字句通りの発言であったとすると、
「井端選手は守備範囲内の打球は無難に処理するけど、守備範囲が広い分だけ俺の方が上だぜ!」
と読めなくもない。*3
「ボクは中日ファンではなかったので…。」
と言う同記事内の発言から中日における井端選手の立場及び地味な外見からは想像も付かないプライドの高さをご存知無いのかもしれないが、一般的には就職先で誰に噛み付いたら損をするかぐらいは調べてから発言するものだ。ある意味実にプロ向きの性格といえる。
ここまでの論証を通じて鎌田選手は怪我さえしなければ少なくとも一軍の公式戦記録に一定の足跡を残す可能性が極めて高いと言うことをご理解いただけたと思う。
個人的なことを言えば自分(164cm)より背の低い選手が活躍する姿が見たい。田中一徳選手や吉田義男氏の身長を見ても、165cmのあたりに超えられない大きな壁がこれまではあった。*4
契約もしていない現時点では明らかに時期尚早ではあるが、わたくしは鎌田選手入団の暁には彼を応援することをここに宣言する!
ナンチテ。。。