どう評価して良いものやら

18・19と予定通り彼女と高山に行ってきた。
天気良かった。桜もいい時期だった。

車は結局自分の車の修理が間に合わず、レンタカーを調達した。せっかくなのでプリウスを。

彼女は3時まで勤務して9時半のこちらの設定した時間に現れた。
まず、これが良くなかった。前日準夜勤だとメールをもらった時点でお昼ぐらいに設定し直せば良かったのだ。

しばらく彼女は助手席で寝ていたが緊張しているせいか余り寝付けないようだった。

僕も運転は最大限配慮していたつもりだったが、そのときはどちらかといえばお昼を高山でとれるように間に合わせることが頭の中を占めていた。
結局二日とも晴れたのだが、予報では19は晴れ時々曇りだった。
下見でマウンテンビューのオープンテラスを見つけた僕はそこで昼食をとることに固執していた。
彼女は結局気分を悪くして、臥竜桜の駐車場にたどり着いたときはへたり込んで動けなくなっていた。

ほぼ一月ぶり、正式に交際してから初めて彼女にあった僕はまともに彼女の顔も見られない状況で、まして寝ている彼女に配慮して息を殺しているような有様で彼女の様子に気づくこともできなかった。実際には車を降りてへたり込んだ彼女を見ても事態の深刻さに気づくことができなかった。気力だけで歩いていた彼女は木陰でいったん休憩したらと勧めたらそのまま倒れるように道ばたに寝ころんでしまった。トイレは駅か公園にしかないし、車は規制されている。動転した僕は周囲の民家のドアを叩きまくったが、祭りの喧噪を嫌ってか、皆留守だった。結局交通整理していた地元の人に頼み込んで軽トラを借りて駅まで入る許可をもらい、何とか彼女を送り届けた。
そこでようやくある程度冷静さを取り戻した僕は彼女に飲み物を渡し、改めて許可をもらって自分の車を駅に乗り付け、泊まる予定のホテルにチェックイン時間を早めてもらうよう連絡した。
そこから先はその日のうちは一時復活するも結局歩き回ってまた寝込んでしまい、とにかく彼女が食べられるものをとコンビニで調達してきた軽食を渡すのが精一杯。

学んだことは彼女は我慢強いということと、すごく気を遣うと言うこと。

一時的に復活したときだって本当は本調子じゃなかったはず。にもかかわらず、僕の提案するままあっさりしている高山ラーメンとはいえラーメン食べて歩き回って結局調子を崩してしまう。

振り返って僕自身の判断の甘さが招いたことは明らかだ。
おまけに彼女は何でも自己解決しようとしたり、こちらに配慮してぎりぎりまで我慢することに気付かなかった。

その日は色々と考え込んでしまい、結局5時ぐらいまで目をつぶっているだけで眠れなかった。
次は無いに越したことはないけど絶対に今回の轍は踏むまいと誓った。
交際していると言ったって会った回数は数回でお互いに遠慮がある。何とか壁を取り払いたいと考えた。

19日も彼女は食べられない状況。
結局高山観光は初日にちょこっとしただけ。もはや目的はいかに彼女を無事送り届けるかに移っていた。

それでも19日は調子が良かったらしく休憩に立ち寄った喫茶店ではコーヒーなぞ飲み始めた(ヲイヲイ)
で、珍しく仕事の話なんか始めたり。ちょっと素の状態が戻ってきた感じ。やっぱり昨日は緊張していたんだと確認。

そこでいたずらっぽく笑いながら、運転を代わってくれないかと頼んできやがった。実はプリウスに興味津々だったらしい。本当はレンタカー会社には一人で運転すると言ってあるので無保険状態になるんだろうが、いざというときは自分で被ろうと覚悟して代わる。

そしたらみるみる元気になる。助手席に乗ることが久しぶりで違和感があったことが体調不良の原因でもあったようだけど、本当に運転が好きなんだと確認。

元々回復する方向にあったんだろうけど、おかげで今回の目玉にしようと思っていた「國田家の芝桜」は比較的元気に見ることができて、お昼もそばだけど食べることができた。
その後、高速に乗る段でいっぺんハンドルを取り上げるとまたシュンとする。で、SAで交代するとまた元気に。こうなると僕の運転が合わなかったのかと疑ってしまうほどだった。

まあ、今回に関しては初日は運転できる状態ではなかっただろうから選択肢はなかったんだろうけど、どう考えても彼女の方が僕より運転好きだし多分向いてもいるだろうことを考えると、今後はつまらない男の意地にこだわらずに渡せるときはハンドルを渡そうと決める。僕の車は保険の関係で彼女が家族になってくれないと運転はさせられないけど財政的に余裕があって遠出好きの彼女の車には家族限定はついていないだろう。サイズ的に僕の車の倍以上あるところがちょっと気になるところだけど。

別れ際はさすがに疲れは隠せない様子だったけど、昨日の晩に考えていたことをぶつけてみる。
二人の関係は最初からインターバルが開いてしまうことが前提でそのことは覚悟の上。
だけど、いちいち会う度にお互い緊張していては先には進めないこと。
そこをクリアするためにはお互い少しずつでもほかの人がしなくても良い努力をしなければならないこと。
で、提案としてとりあえずお互いに呼び方をフランクに変えてみようと言ってみた。
一晩寝ずに考えた割には笑っちゃうようなアイデアだと自分でも思うが、彼女は笑いながらも真剣に受け止めてくれたように思う。

とりあえず、今回はけがの功名というか、車の不調からやむなく借りたプリウスに助けられ、彼女の体調不良から二人の関係を作為的にでも深める努力をしなければという決意を固め、彼女にも理解してもらうことができた。その意味で前回同様結果的に一歩先に勧めることができたように思う。むしろ前回形にこだわって彼女を苦しめる結果になったことを思えば今回は確実に二人の壁を取り払うための一歩を進めることができたと思う。このままジリ貧になることを考えれば、危機感を二人で共有できたことだけでも意味があると思う。

それにしても最初に思っていた以上に僕たちは似ている。というより、彼女が30歳の頃の僕に似たところがある、と言った方が正確だろう。今の僕はあの頃よりちょっと枯れて性格はマシになった、でもその分多くの何かをあきらめた。
不自然なほど我慢強いところ。
人に気を遣いすぎるところ。
甘えることが苦手なところ。
恋愛アレルギーで甘甘トークを意図して避けてしまうところ。まあ、僕は昔から意外とその場に立つと笑っちゃうような中二病的発言をしてしまうのだが。

たぶん彼女は当時の僕よりも徹底している。そこが妙に可愛いい。その壁を突き崩したくてしょうがなくなる。
今までツンデレというのは時系列上の変化を言うのかと理解していたが、仮面の奥にあるはずの素の彼女を想像するだけでも楽しい。でもそれはちょっと変態チックだという自覚もあるけどね。

で、表題の話。最初の失点は今改めて経緯を書き並べてみるとあの時自分が思っていたより罪深いと思う。彼女がどう思っているかは別だけど。
結果的に最高のロケーションを活かすことも出来なかった。もちろん僕のせいだ。
彼女の責任感の強さからすると折角のセッティングを無駄にしてしまったと自分を責めてかえって僕を避ける結果になっていてもおかしくない。←この辺似たもの同士の直感だけど。
でも結果として曲がりなりにもその反省をその場で活かすことが出来たのは僕にしては上出来だと思う。
結局この場で自己評価してみたところで彼女がどう思っているかがすべてなので意味は無いんだけど、性格上どうしてもこういう作業をしてしまうんだよな。