極私的「楽天」論 その1 序論
我ながら大物を選んだものである。まあ、「私的」ということで日常接している範囲内から感じた「楽天」論と言うことになる。リサーチ不足な点はご勘弁を。
実のところ、今年の5月ぐらいまでの間はネットショッピングをする際はとりあえずAmazonで探してみて見つからなければ楽天、それでもなければYahoo、もしくはその他の独立系という明確なヒエラルキーが自分の中に存在した。
Amazon優位の理由はSonyPoint経由でEdyが使えたこと*1という例によって浅ましい小銭拾い的なものだった。
で、現在はどうなのかと言えば楽天がほとんど、気まぐれやキャンペーンなどにつられたり、楽天になかった場合はYahooやAmazonを使っている。
はっきり言って、Amazonでの買い物は楽だ。ワンプライスだし、送料のことをあまり気にしなくても良い。中小小売りの集合体ではないので相手先に信用もある。
UIもフォーマットも統一されているので見ていて疲れない。データベースとしての価値はかなり高いのでブログで言及する場合は今でもAmazonだ。
Edyが使えることもポイントがらみを除いても、カードを晒さずにすむという点ではかなりのアドバンテージだ。
と言うわけで、お金があって暇が無くて妙なことに煩わされたくない向きにはAmazonで万事OKだろう。
まあ、最近は誤配騒動があったりして巨体が極端に効率重視することの限界を見せたりしているみたいだけど、それにしたって文句を言う先は一つで責任が分散しないのは良い。
では何で楽天なのかというと、
- 価格、送料、ポイント付与率等様々な条件で同一商品を比較できる
- グレーゾーンなものでも探せば見つかる宝探し的要素がある。
- 何のかんのと手間暇かければ様々な還元が得られる。
また小銭拾いかいという話だが、多少なりとも売り手側の言いなりにはなっていないという感覚、良い言い方では清濁併せ持つ、悪く言えば雑多なというか猥雑な品揃えと未完成なシステムが脳を刺激する部分があると言うことだろう。
車を選ぶとき、敢えてマニュアル車を選ぶ感覚とか、アジア方面に旅行に行ったときに買い物をデパートではなくて敢えて市場的なところでする感覚に近いのかもしれない。
これは裏返せばというか、絶対多数にとって弱点になる。実際のところ楽天はもっとインフラに徹するべきだという思いもある。
Amazonが現状ポイントサイトから手を引いているのも、使い勝手の面で絶対の自信を持っているからこそだろう。
楽天がどうすればよいかと言えば、具体的に言えば、下手な鉄砲も数打ちゃ当たる式のキャンペーン連発でポイントを小分けに散撒く資金があれば全店舗でFelica決済を導入すべきだ。
マーケティングの手法もあれだけ膨大な購買行動の記録を持っていればもう少しピンポイントに出来るだろう。
そもそも楽天のマーケティングは楽天全体のキャンペーンと店舗毎のそれに分かれていてそれぞれ異なるリソースを利用して一件ばらばらな展開をすることによって統一的でスマートなマーケティングでは得られないスケールメリットを獲得するというところが肝なのだろうけど、それが意図してそうなっているのか、流れに身を任せていたら自然とそうなってしまったのか判らないところがまた如何にも「楽天」的だ。
楽天的なモール型のECサイトの成功例は世界的に見ても希有な存在らしいし、少なくとも類似の形態を取っていて比肩されるYahooよりは成功していそうなことを考えると*2そう言う意味では道無き道を行く彼らには逆に非常に少ない選択肢しか与えられていないのかもしれない。
なにせ過去の事例と自分で捻り出した案しかないのだから。