労働集約型の経済発展経路

20世紀の経験から考えると、19世紀末までの西洋型経路は、経済発展への一つのルートを切り開いたにすぎないように思われる。経済発展へのもう一つのルートは前回描いた東アジア型、すなわち農村に安定的な人口扶養力を形成し、そこから良質の労働力を引き出…

近年、「東アジアの奇跡」を踏まえ西洋型発展経路とは別の経済発展経路もあったのではないかという歴史の見直しが進んでいる。 それによれば、東アジアの先進地域(日本や中国の中核地域)では稲作中心の小農家族経済が基本だったので、生産要素市場(資本、労…