酒席での陽気な大騒ぎのことを「コンヴィヴィアリティ*1(Conviviality)という。この言葉にかつて、社会批評家イヴァン・イリイチが新しい命を吹き込んだ。彼は世の中には人間を操作する社会制度とコンヴィヴィアルな社会制度があるとした。操作型の制度とは強制し、囲い込み人間を意図的に操るタイプで、産業社会に支配的な企業活動、交通政策、教育・医療制度などに広く見られる。
 他方コンヴィヴィアルな制度とは、自由参加型で、ネットワークと共同作業を促し、持続的で、人間が独立しつつも他人と連携できる制度のことだとイリイチは言う。そのための道具として彼は通信技術に多大な期待を寄せた(『コンヴィヴィアリティのための道具』)。今でいえば、これには非営利組織(NPO)などが該当しよう。
(参照元:日本経済新聞 2005年2月1日 p.27『ゼミナール 産業文化力が拓く20 政策対応 参入障壁、今後も抑制を』スタンフォード日本センター)

*1:カテゴリー名と文中の表記が違うが、前回他のソースから同一の語彙をカテゴリー名の表記で引いているため検索性のためカテゴリー名は同一とし、本文中はソースの表現を優先した