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〜前略
所有から利用への発想の転換を現実化しうるシステムが、日本では幸いないことに、筑波大学の森亮一名誉教授の「超流通」というシステムとして提案され、関連特許も成立している。
これは、デジタル情報を利用するたびに使用記録が管理され、それを回収することによって料金を徴収し、その収入を著者などに再配分するシステムのことである。
〜中略〜
より具体的に言うと、*1
- まずソフトの権利者は自己のIDと支払いを受ける銀行口座を管理組織に登録する。
- 権利者はそのIDをつけて、ソフトをフリーコピーとして市場に流通させる。
- したがって、そのソフトは他のユーザーにも渡る。
- そのような流れに課金するために、特別な制御回路をユーザーのパソコンに組み込む。
- その制御回路は、ユーザーのソフト使用状況と権利者IDを管理組織に報告する。
それに基づいてこの組織は、使用料金の徴収と権利者への送金を行う、というものである。
ここから明らかなように、「超流通」では、ユーザーが他に転送していくことをむしろ奨励し、市場を拡大させていく。
後略〜
(参照元:日本経済新聞 2005年2月8日 p.33 『ゼミナール 産業文化力が拓く25 成長に向けて「超流通」システムなど視野に』スタンフォード日本センター)