〜前略
 現場の試行錯誤から、技術の適用範囲が広がり、しだいに国際的な汎用性が鍛えられていった。そこではイノベーション(革新)とイミテーション(模倣)が相互関連をもって進行した。例えば明治の日本では、少数のお雇い外国人の助けを借りて西洋から導入し、模倣した技術を、伝統的な技術や社会慣行、市場の性格にあわせて改良した。細かな発明が比較的早く全国に普及したのはそのためである。その一部はたちまち中国で模倣された。
後略〜
(参照元:日本経済新聞 2005年2月15日 p.31 『やさしい経済学-21世紀と資本主義 世界史のヒント 5.技術と情報』大阪大学教授 杉原薫)