お見合いその2

 11月11日分に記載したお話のあったお見合いについて色々とそれにまつわる出来事があったのでまとめておく。
 今回のお話、お相手のお嬢さんは結構な名家の人らしい。ちょっと特殊な家でもあるとのことだが、そのあたりはあまり詳細に書いてしまうとさすがに注目度の低いblogでも差し障りが出る可能性があるので書かない。
 いずれにせよ、そういった事情で恐らく付き添うことになる親にもそれなりに緊張を強いる可能性があることもあり、事前に両親に事情を説明するためこの週末は実家に帰った。
 たまに帰ると三十路を越えた息子を持つ両親としてオーソドックスな反応をすることから予想できた通り親からは話があれば質は問わない、とりあえず受けとけみたいな反応が返ってきた。
 我が家は良く言えばフランク、悪く言えばお行儀の悪い家庭なのでそういう家とは合わないぐらいのことは言うかなとも思ったが、なりふり構っていられないという心境になっているらしい。
 なにはともあれ、こうして一歩先に進むことになった。そうなると身上書と写真を用意する必要がある。中でも写真はちと面倒なわけだが、幸い父親が最近下手の横好きでカメラを趣味としており祖母さんが亡くなった折りには納棺直前の祖母さんの姿を記念に写真に納めようとして弟と私にとがめられるというパパラッチぶりなので日頃の修練の成果としてスナップ写真でも撮ってもらおうと言う魂胆だったが、いざとなると「ポートレートは苦手だから」とかいう一人前な言い訳が用意されており、こちらの目論見はあえなく崩れ去ることになる。
 で、今日、とりあえず紹介者である上司に親の了承を得た旨を伝え、写真は職場の近所の写真屋で撮ることにする。
 話が本筋から外れてしまうが、写真屋で写真を撮ってもらうことなど証明写真を除いては初めての経験だったので、その時のことを記録しておく。
 この写真屋がそれぞれ70も過ぎたと思われる爺さんと婆さんの夫婦連れと恐らく某緑色のフィルム会社からの出向社員ではないかと思われる中年のおじさんが留守番役をやっている恐ろしくクラシカルなところだった。
 証明写真じゃない写真できます?と聞くと、こちらの事情を察したらしく一セット5,775円也の中判セットを薦められた。どうも値段設定もデフレ以前のクラシカルな物のようなに思え、予算的にもこちらの想定範囲を超えていたためカードを使えるか確認したところ、意外にもOKが出た。で、お店でカードを扱えるのは婆さんだけというルールがあるらしく、婆さんが登場。
 このカードの手続きが摩訶不思議な物でまずいきなり正式な署名以前に住所、名前、電話番号を別紙に記入するように求められる。そのメモ用紙のような別紙を持って婆さんは奥に引っ込んでしまうのだが、10分ぐらい手続きにかかり戻ってきた婆さんの言うことには「端数は現金で払ってね」???なんだかカード取引の利点をすべて否定するような取引が繰り広げられたのだった。
 長くなったので以下明日に続く。