大西選手について

 七転び八起き。アスリートとして恵まれたエンジンを持っていながら制御系に問題があったりしてなかなか目のでなかった選手。波乱に満ちたアマ球歴を何とか乗り切り、プロ入りした後もつまらない退場劇から星野氏の逆鱗に触れたりした。
 しかし2001年頃からチーム内でのプレゼンスも向上し、関川選手が不調の間、それに代わる熱いキャラとして空白を埋め、ファンの支持も厚い選手だ。
 同じ歳ということもあって私が個人的に応援している選手でもある。今シーズンは女子プロゴルファーの坂上晴美さんと結婚もされ、さらなる飛躍が期待され、福留選手がオリンピックで離脱した折りはその穴をよく埋めたものの、トータルでは出場機会に恵まれず、10%の年俸ダウンを呑むことになった。
 先週のサンデードラゴンズ*1に出演し、その際小松辰雄氏から今年は手の故障があり、シーズン中の一時期はテーピングをしないとバットを振れないような状態にあり、先日手術をしたことが明かされた。
 年齢から見てそれほどの上積みが期待できないこともあり、怪我で1年を棒に振れば折角のこの3年間の積み重ねもフイになりかねない立場上、首脳陣には怪我の状態は恐らく報告していなかったと思われる。
 正直、シーズン中彼が結果を出している時でさえ、落合監督は大西選手が打席に立っている時、苦笑いを浮かべていることが多く、ヒットを打っても首をかしげているシーンも見受けられた。また、怪我を申告していなければそれだけで監督の方針から言ってマイナスポイントになるだろう。
 恐らく大西選手の野球に関する考え方は落合監督のそれとは大分ズレがあるのではないだろうか。ただ、結果を出したことによってのみ評価はされているとは思う。
 次の6月にはお子さんが産まれる予定だそうだが、正直来シーズンは大西選手にとって本当の意味での試練の年になると思う。
 中日の選手の中ではあの全盛期の佐々木投手から本塁打を放つなど、珍しくお祭り男的な要素を持つ選手だが、元々は代走、守備要員として性格的には決して向いているとは思えない地道なところを積み重ね、そのことよって人間的にももの凄く成長した選手だと思う。
 でも、このまましぼんでしまってはつまらない。来シーズンは落合監督にずっと首をかしげさせながらも結果を出し続けるような姿を期待している。

*1:中部ローカル局CBCのドラゴンズ番組。ちなみに大西選手出演の12/19放送時に背番号20番の件について問われた小松氏は苦々しげに「そのことについてはあまり話したくない」と語られた。権藤氏、星野氏に比べ、小松氏の背番号20襲名は遅く、それだけに思い入れは深かったことが想像される。