鶏卵論争

 【ワシントン=吉田透】肥満で運動不足に陥っている人は同じような生活環境で暮らしているやせた人よりも1日当たり約2時間も座っている時間が長いことが、米有力医療機関メイヨー・クリニックの調査でわかった。28日付けの米科学誌サイエンスで発表された。
後略〜
(参照元:日本経済新聞 2005年1月31日 p.38「肥満の人、座る時間長く 米医療機関調査 掃除など日常で差」)

 自分の経験を踏まえて言えば、逆もまた真なりで肥満の人はトルクの弱い、もしくは車重の重い車のようなもので、痩せている人と比べ、ことを起こす際により多くのエネルギーを必要とする。単純に体重に比して筋肉量、肺活量が足りないということもあるだろうし、日常の経験が積み重なって「動く」=「疲れる、辛い」という図式が心の中に組み込まれてしまい「なんとなく億劫」がデフォルトになっていることもある。
 つまり、太っている人は太っていることによって雪ダルマ式にさらに太っていく要因を既に抱えているともいえる。
 原文を当っていないので本当は批判めいたことは書いてはいけないんだろうが、仮にこの一行記事以上の内容を持っていないとすれば経験則的に知られていることを実証したに過ぎないといえる。
 それだけでも科学的には充分意味はあるんだろうが、肥満から抜け出したいと願っている人に本当に必要なことは肥満相乗の「デススパイラル」から如何に抜け出すかと言う方法論だろう。
 科学雑誌に掲載できる万人に当てはまる方式なんて見つかったらノーベル賞物どころか先進国の経済環境が激変するような事態になる可能性があるんだろうけど(^^;