maneoに必要なのはちゃんとしたライバル

 日本初のソーシャルレンディングと言うことで一部で話題になったmaneoを試してみた。
 いろいろな面で作り込みが甘い。
 目立つのはレスポンスの悪さ。当日の振り込みが夕方にならないと反映されない。そもそも主なユーザーが活動する休日等に振り込みが出来ない。これはバックボーンを銀行1.0のMUFJに頼っているからだろう。ネットバンク系のスピード感になれている身からするとこの遅さは腹立たしい。
 そういった欠点を克服する手はあると思う。貸し手側の信用余力を算定してオークション時点では貸付枠で入札して実際にオークションが成立してから入金すればよい。そう言う工夫もない。
 もう一つ致命的なのはサイトの出来の悪さ。必要な情報へのアクセス性が低いワリには宣伝や自社の表出記事ばかりが目立つ。用語の使い方が特殊すぎて字面からではどう挙動するのか判断できない。口座情報の更新が遅いので自分のステータスが把握できない。
 致命的なのはコストの高さ。元々総額200万円限度の融資を一人頭20万円限度で匿名投資組合を組成して貸し付けると言う仕組みで動く。元来少額しか動かせず、ある意味それがセキュリティのキモになっている。さらにサラ金より利率が高いようでは存在意義がないので高くても10%、概ね4〜5%が多いように見受けられる。そんな中、中抜きで1.5%も持っていき、それとは別に成立時点で貸し手借り手双方から1.5%取っていく。これで審査が厳格かと言えば収入はともかく支出は借り手の自己申告。借り手、貸し手ともに匿名なので借りる理由は嘘つき放題。デフォルトになったら債権はサービサーに売られるのだけど、maneoの取り分を除いた額が貸し手の皆様に帰ってくるのだそうだ。
 まあ、私は投資に関しては超楽観主義者なので経験としては面白いかなと貸し手として現時点で4万円、トータルで10万円ぐらい回してみてどのような事態になるのか見守ろうというスタンスなのだけど、後発組として先行者のいいとこ取りでは定評のあるSBIグループを含めて幾つか同様のサービスが出てきそうな中、このスタイルが果たしてスタンダードになるのか。
 正直maneoの経営陣は今は露出を多くする時期と広報に力を入れていて中身の作り込みにまで手が回っていないと思うけど、その考えは甘いなと思う。まあ、こんなサービスにオモシロ半分で大金つぎ込む僕も相当甘いけどね。