気持ちのもって行き方

 実は今日、一件和解が成立した。僕自身の受ける影響は大したことがなかったのだけど、展開次第では大事になる可能性があったので結構数日前から緊張していた。
 敢えてはっきり実名は出さないけど、某公共交通機関が2年ほどまえにプリペイドカードをICカードに切り替え、転勤して営業エリアから離れた僕が気づいたときにはプリペイドカードの換金期限が切れていたという事案だった。
 ハイウェイカードの事例も考えると早期の換金停止は問題があるのではと物言いをつけたところ、当初は旅客自動車運送事業運輸規則というものを持ち出して乗車券としての規則に則った手続をしたので問題ないという話だった
 そこで、換金性の高いプリペイドカードは乗車券であると同時に期日無記載の債券と同等の性格も有しているという考え方も出来るのでそれを勝手に棒引きするのは民法的におかしいんじゃないという話をしたところ、一応全面的にこちらの言うことを聞いてくれて相手側から精算は相対で行いたい旨の申し出があったのでお昼休みに職場まで来て頂いたと言うところ。
 正直、口止めされたり念書を書かされたりするかもとか、逆に僕を特殊事例として扱うのではなく今後は一般的な対応として換金を実施してくださいと要望してもう一悶着起こそうかとかいろいろ考えてしまってここ数日はよく眠れない日が多かったのだけど、結果的に上手に対応されてしまって何も起こらずに淡々と定められた額通りに払い戻しを受け、菓子折一つもらうわけでもなく形としてはキレイな和解と相成った。
今後の僕以外の人の対応については特に何も聞かなかった。
 僕自身はといえば、ネットで検索にかかるような形ではこの話は載せるつもりはないけど、特に口止めされているわけでもないのでリアルではネタとして今後しばらくは会う人ごとに話をするだろう。
だけど、結局公共交通機関プリペイドカード残額なんて一人頭では良いところ3千円〜下手すると千円未満の人が殆どだろうことを考えると取り付け騒ぎが起こるようなことは考えづらい*1
 杓子定規に解釈すればやっぱりこの機関は勝手に借金を棒引きにしたわけで、しかも一人頭の額は少ないので問題にならないだろうという確信を持ってトータルでは膨大な額を不当に利得したとも考えられなくはない。道義的には何らかの罰を受けるべきかなとも思うけど、私企業とはいえ公共交通機関としての社会的な責務を果たしており、棒引きになった借金は社会基盤の維持に使われるわけだし、下手に行動を起こしても悪意を持つ変な人達*2に利用されるだけかなとも思ったわけだ。
 それにしても対応に見えた方は実に如才がなかった。こちらの言いたいことは聞いた上で否定の言葉は一切使わず、肝心なところについては話題にふれないよう見事に会話をコントロールされてしまった。
 まあ、このエントリーも本当は書くつもりはなかったんだけど、条件面では全面勝利だったにもかかわらず、完敗してしまったこの気持ちの持っていきようが無くて書いてしまったと言うところ。和解が目標なら勝利したらだめなはずなんだけど、気持ちの持っていき方一つで納得が得られない僕は修行が足りないなと思う。
 実際のところは払い戻しを受けた上にいろいろと学ぶことが出来たわけでその意味ではやっぱり僕の一人勝ちだったんだろう*3
 

*1:そう考えるとコレクターでもないのに一万円弱分もプリペイドカードをもっていた自分がかなりのマイノリティであると客観的に評価することになるので複雑な気分だが。

*2:ぼっ僕は違うぞ(^^;

*3:って、だから勝ったら駄目なんだってば。