不公平

公平というやつは自由と同じぐらい難しい。
生きている以上公平なんてあり得ない。例えば仕事。同じ給料をもらっていても同じ働きをしている訳じゃない。いわゆるライトスタッフが揃った状態であっても得意不得意があってですりこすりで何とかバランスを取っている状態であって、最後はミソッカスが熱意で働きの悪さをカバーするって言うところだろう。

熱意は組織を動かす上での発電機的役割を果たすこともあるからバカに出来た物ではない。仕事の上ではそれで良い、こともあるだろう。

では恋愛ではどうか。恐らく人間の突き当たる諸々の状況の中で恋愛ほど不公平に出来ているものは無いだろう。以前に愛を相互扶助と形容したことがあるけど、どうしたって追いかける側と追いかけられる側が出てくる。そして恋愛ではどうかすると独裁者ゲームが成立してしまう。ルール無用、倫理も無し。まああんまりやり過ぎると相手がストーカーとかしてしまうことも考えられるし、結局人としてどうかというレベルで語られる可能性もあるのでそこまでは行かないんだろうけど、、、

何が言いたいかって言うと、一通り悲しみを味わい尽くした後、メールを冷静に読み返してみて流石にちょっと怒りがこみ上げてきたって言うか。

ごく普通に項目が4つほど並んだ3つめですよ。放置して欲しいって書いてあったのは。

そういう大事なことはそれなりの扱いで書いて欲しいって言うか。

結局こちらが惚れ抜いていることを見透かしてこれくらいチョロいって。

自分からイニシアティブを手放したくないから勝手に急ブレーキかけて。


でも一通り怒ってみてむなしくなった。結局のところ恋愛は不公平に出来ている。僕はそれがどれだけ酷い仕打ちだって思ってみても、彼女が戻ってきてくれさえすれば全てを許してしまうだろう。どうかすると彼女を判ってあげられるのは自分だけだなんて悦に入ってしまうかもしれない。

みっともない。どうかしている。それで仮に上手く行ってこれから先もずっとそのペースに付き合うのか。

色々考えるさ。今の職場には若い女性は山ほどいる。良いなって思う人もいるよ。人間は日々変わるよ。人の心はつなぎ止めてなんておけないよ。努力したってそうなんだ。放置しておいて縛っておけるなんてそんな都合の良いこと思ってもらっても。

そこまで考えると僕の心臓は止まりそうになる。結局それでも良いって彼女は思ったんだって。

色々可能性はあるかもしれない。でも僕には割り切れない。今僕の望む未来はまだたった一つのままなんだって。