卓上カレンダー3 xfy plannerとは何か。

さて、だいぶ間が開いたけど、続きがまとまってきたのでいってみましょう。
いきなり主題から外れるんですけど、xfyって何だかわかる人っていますか?

かのジャストシステムが提唱した諸々の団体が勝手に拡張したXMLによって記述されたオブジェクトをその違いを意識することなく同一ドキュメント上で編集できたりするものらしい、と言うことが私が最初に聞いた説明でした。発表は2004年11月だったらしいですな。なんと5年も前。

で、その後ジャストシステムはこの良く判らんけど、凄いハッタリの効いた技術で世界に打って出ようとしてとりあえず北米進出なんかして大失敗して虎の子のATOK絡みの知的財産をかたにゴールドマンサックスとかから借金したりします。

オマケに北米では営業が上手く展開しないから、別のXML技術を持った北米の会社を買収したりします。なぜ営業が上手く行かないから別の技術が必要になるのか、今もってこの説明は良く判りません。が、とにかくそうらしいです。

私がジャストシステムの株を買った頃はxfy華やかなりし頃で、Edinetに技術を無償提供したりしてますますハッタリに磨きをかけていた時期でした。

まあ、パッケージソフトという分野がそもそもじり貧の中、まだ会社にネームバリューがあって、虎の子のATOKが日銭を稼いでくれているうちに独自技術をひっさげてIBMとかオラクルみたいなソリューションベンダーになりたかったみたいですね。当時のジャストシステムは。

いまでもその方向性は変わっていないのか、それともそもそもそんな思惑は私の妄想に過ぎないのか判りませんが、ただハッタリだけは効いているけど実態が良く判らんxfyを売り込むに当たって、適当な広告が必要だと誰かが気付いたようで、その後、どこにxfyの技術が使われているのかは相変わらず良く判らないけど、何に使うのかは明確な「xfy blog Editor」、続いて「xfy planner」というコンシューマー向けの商品が登場したわけです。

つまりxfy plannerとは、謎の技術xfyの伝道師としての役割を期待されつつもしかして売れちゃったりしたら嬉しいなという社内的位置づけにあると思われるジャストシステム製のPIMなのです。

特徴を一言で言えば柔軟性の高さ。システム手帳よろしくリフィルと呼んでいるテンプレートが日々追加されています。一度入力したデータは書き写す必要もなく各リフィルに反映されていくわけですな。

おまけに元々非常にプレーンな技術であるXMLを素材にしているので他社、他団体のサービスとの連携もお手の物でGoogleCalenderやらOUTLOOKやらとのデータ連係もばっちし。

非常に古い言葉で言えば「あなた色に染まります」っていうやつです。

でもこれってどうなんでしょう。あなたがあるレストランに行ったとします。そこで、「どんな味付けにでも応じます、ただし、味付けはあなたがしてね」と言われたら。

これは敢えて意地悪な、しかも散々使わないといっておきながらアナロジーを使ってしまっている、その使いたくない理由から、決して正確にこの商品を表現した物ではありません。僕が伝えたいこの商品の特性のほんの一部を誇張した表現です。で、この商品にはそんなちんけな夢想を吹き飛ばす壮大な構想が眠っているような気がするのです。

おそらく、僕の想像では、この商品はxfyのエヴァンジェリストなのです。xfyって何だか良く判らないけど凄そうとか思っている中小企業の社内IT関連のオピニオンリーダーの皆さんがまずこの商品をお試ししてみる。一ヶ月は無料で使えるのでその間に皆さんはこのグニャグニャして何だか良くわからないものを自分なりに形にする。好きこそものの上手なれと言いますが、こういった方々は非常に我慢強いし、元々xfyにはそういった人達を刺激する要素があります。世界標準、データの統合・連携、継続的なアップデート等々。

で、会社のシステム開発、改修の時にそうした人達が先兵となってxfy導入を目論むのです。元々柔軟性は高いので基幹システムの如何を問わずクライアントとして動作するなんて言うのは得意分野でしょう。

素晴らしい。商売下手なジャストシステムとは思えないほど洗練されたマーケティングじゃないですか。後は世間の人がシステム開発に投資出来るぐらい景気が回復するまで宣伝効果が保ってくれることを祈るばかりですね。

まあ、皮肉はこのぐらいにしておいて、この回で何が言いたかったかというと、PIMに必要なのは実はフィロソフィーなのではないかと。敢えて横文字にしてみましたが、つまり、またレストランに例えるとうちはこういう味付けだ。文句があるなら来てもらわなくても構わないね。ソースはおろか、醤油すらカウンターにおいていない、そんな店ぐらいが丁度良いのではないかと。

で、人は色々と自分の味を求めて各店を巡り、ああこの店こそ僕の舌を満足させてくれるという店を見つけるわけで。


色々言い過ぎましたが、この製品には未来に期待できる何かはあると思います。ただ、PIMを商品化するプロセスの中で恐らく最も重要な要素をそもそも考慮していないと言うことが言いたかったのです。

で、前回を偶さか読んで見える方がいれば判ると思いますが、この点、能率カレンダーとは正反対の位置づけにいると言えます。良い意味でも悪い意味でも。

ちょっと毒を抜いたところで今回はお開き。次回に続きます。