とりあえず、やっと読み終わった。

「図説 金枝篇」読了。

とりあえず、この要約の試みが一応の成功を収めていることは確かだと思う。なんどか途中で指摘したけど、フレイザー卿が書物および伝聞から収集した例示の数々は多分幾つかは正確に記述されているのだろうけど、日本人なら常識的に読んですぐおかしいと気付くような箇所も複数見られ、要約ですらこの有様なのだからいかに古典とは言えこれ以上つきあわされて頭のどこかに間違った知識が残ってしまったらどうしようと思わなくはない。
結局金枝篇の魅力は大著を通して論じられるミネの森の王にまつわる伝承そのものの魅力、そしてこれを主題に据えたフレイザー卿のセンス、そしてその魅力を損なわない、特に論証部分での力強すぎる美文体の持つ理不尽なまでの説得力、これにつきるのかも。

とりあえず今日は力尽きてしまったのでこのぐらい。古典の時代的な制約に対していろいろと突っ込んでも意味がないので、あとは自分にとって新しい発見があったところをメモしておく程度になるだろうけど、付箋を入れておいた箇所について無理のない範囲内で感想とかを書く予定。