maneoの悲哀。

例のKawango氏の質問を読んでいると、なんだかんだ言っても資金を持っているところは違うなと思った*1。そもそも夏野氏を黒字化担当役員として引っ張ってくる時点で出資者向けにそれなりにポーズを取って見せたか、それ自体がネタかといったところだったのかもしれない。
普通に考えたら黒字化への近道は固定費の削減で、次は経費の削減だろう。利益の拡大は普通ある程度の経費の増大を伴うものだし、ビジネススタイルを変えなきゃ収益構造が変わるわけはないのにここまで並べたものについては一切やるつもりは無くって一発どーんと花火を打ち上げて逆転しようとしている。事業アイデア一発でひっくり返るならどこも苦労はしていないと思う。しかもPVとしては現状でも相当稼げているのだから規模を増やすことでは問題は解決しないだろうしね。

ああいうコミュニティベースの人気商売を成り立たせるためには「煽り」みたいなものを含めた仕掛けが有効な面はあるだろうし、四角四面に誰でも思いつくような経費削減策を論じるようでは客だって引いちゃうだろうけどね。
もうちょっと裏と表は使い分けた方が良いような気はするけど、実は質問は純粋にネタで本当は庶務一筋20年みたいなベテランOLさんが消耗品の管理とかしていたり、鬼のような経理マンが企画会議にまで出てきてダメだししていたりするんだろうか。そんなわきゃないはなと思わせるところを含めて「仕掛け」だったらそれは凄いプロの仕業だなと思うけどね。

で、その話がなんでmaneoに結びつくのかと言えば、ああいう良い意味での悪のりみたいなことをするにはやっぱり余裕が必要なんだなと思ったから。maneoも、まあ、妹尾氏がメルマガで色々と無邪気な発言をしていたりするのを見ると悪のりはしているなと思うけど、本質的な部分で余裕が無ければ人は乗ってこない。恐らくmaneoは元銀行員の方々が多いだろうからカルチャーとして悪のりは苦手だと言うところはあると思う。妹尾氏はそういう意味では異色に見えるが、それでもつい最近まで日本有数の金融機関の一員として貸す側だったのが貸される側になってしまって事業が資金的に軌道に乗るまではさぞかし居心地が悪い思いをしていることだろう。

maneoがちっともサイトの改善をしなかったり、スキームの見直しもせずに広報活動に必死になっていることについても、納得はしないけど可哀想な現実があるからこそなんだなと同情してしまったり。まあ、すべて推測だしどっちにしたって余計なお世話だろうけどね。

*1:ここではKawango氏=川上量生氏が事実だという前提で話を進める