年功序列制度や、年功的昇進制度をそのままに定年を延長したり廃止したりすれば、企業の賃金負担は大変であるし、管理職も過剰になってしまう。しかし賃金がその個人の仕事能力や企業への貢献度に応じて決まり、また年をとっても管理職の椅子に座って仕事をするのではなく、培った専門能力を活かし担当者として仕事をするのであれば、企業にとってなんら負担とはならないはずだ。
 賃金や処遇が完全に能力・成果主義的になれば、理屈の上からいって定年があってはおかしいということになる。
 中高年労働力が多くなる労働市場では、この豊富な労働力を適切なコストで活用するのが企業の合理性にもかなうはずだ。*1

*1:週刊エコノミスト 2005.1.4 p28 『働きたいシニアを活かす脱定年・生涯現役社会 清家篤(慶應義塾大学教授、労働経済学)』