いわゆる電子ペンの現状

 スウェーデンアノト社が開発、日立マクセルが製造し法人向けに販売するデジタルペンは、赤外線ライトと赤外線を読み取る小型カメラをペンに内蔵、専用の紙に記入する方式。
 専用紙に約0.3ミリメートル間隔で小さな点を印刷しており、文字を書くとカメラがペン先周辺の点集合を毎秒約50回撮影し移動経路を把握する。点はそれぞれわずかに上下左右にずらしてあり、その配置パターンなどを登録しておくことでペンがどの紙のどの部分を通過したかを特定する。
 表計算ソフトなどと組み合わせれば、システム上にあたかも手書きで入力するような使い方も可能だ。
(参照元:日本経済新聞 2005年1月31日 p.15 「駆け込みレクチャー デジタルペン 手書き文章、即転送 紙とパソコン 同時記録」)

 専用紙それぞれにユニークな住所を割り振る。もはや復活することは無いだろうCrossPadはユーザーの明示的な操作により「ページをめくる」システムだった。固有のアプリケーションとの組み合わせを前提とすればユーザー側から見て合理的なシステムと言えるだろう。
 前回言及したコンシューマー向けパッケージは携帯との組み合わせでメール書き専用のシステムとして発売されたものだったが、技術的な興味はともかくとして値段的なことも含め数が出る商品には見えない
 記事中にはもう一点の商品についての言及もある。

 文具大手、ぺんてるイスラエルのペガサス・テクノロジーズと共同開発して昨年12月に発売した「エアペン」は個人も購入できる。超音波を発するペンの軌跡を受信装置が計測し把握する方式で、どんな紙にも記入可能。店頭実勢価格は25,600円程度。
(参照元:同上)

 アノトペンは最早コンシューマーには販売していないということか?それにしても実勢価格がやけに細かいな、、、という突っ込みはさておこう。
 エアペンの公式サイトを見てみると、文字データとしての入力には対応していないので全くカテゴリーの違う商品であることが判る。どちらかと言うとCrossPadの正統後継者はこちらのようだ。
 まあ、OCRソフトのことを考えても上記両者のいいとこ取りは現状では不可能だろう。ただ、比較すると「使い物になる」所まで到達するまでの距離で言えばアノトペン側の方が一歩リードしているようだ。あとは他の勢力が追いつく前にコンシューマー向けに魅力的なパッケージを提供できるかだろう。