カウンセリング1−3

 カウンセリングを受けに来る人間は大きく分けて2種類存在すると想像できる。
 保険診療である精神科医に受診することを頑なに拒んでいる場合。そして、精神科医の診察の診察内容に失望を感じ、別の手だては無いかと模索した結果訪れる場合。
 僕は後者だった。
 僕はべつに精神科医業界について俯瞰して意見を述べることが出来るほど、彼の業界に知悉しているわけでも無いし、医師をハシゴしたわけでもなく、比較的医師の数の訪れた多い医院を受信していたのだが、自分の都合の良い時間帯に受信できる医師を主治医としていただけで、○○先生に診てもらいたいと談判したこともなく、ただ医師の処方する抗不安薬を飲んでいただけであり、その受信回数も自己判断によって場合によっては半年以上間が空くようなものだった。
 つまり失望を感じ云々と言えるような立場には無かったのかもしれない。僕にはあそこで期待できることがまだあったような気がするし、しかしそうするより僕は別の道を探してみることにしたのだ。