カウンセリング1−4

 ともあれ、僕のカウンセリングは始まった。
 まずは問診票を埋めることから。どんなことについて相談したいか、A4一枚に細かく設けられた項目の半分以上にチェックがついていく。
 そう、僕は正直自分の人生にうんざりしていて有り体に言って自分の一切合財を変えてしまいたいと思っていたのだ。

 続いて自分の状態を診断するための簡単な心理テストのようなもの。
 結果はかなり抑鬱的な状態であるとのこと。確かにその時点ではかなりテンパった状態にあったはずだ。仕事は全くうまく回っていなかったし、肉体的にはボロボロ。プライベートな人間関係は数ヶ月間の引きこもり状態で寸断状態にあり、修復しようという気力すら持ち合わせていなかった。
 同居している家族との関係も、一年ほど前から移り住んだ田舎独特の濃密な近所付き合いもただひたすら煩わしいだけのものだった。
 とどのつまり、逃げ道はどこにもなく、僕は八方塞がりの中、ただ僕の側に立って話しを聞いてくれる人の存在をひたすら求めていた。
 そういう意味では僕は気力を振り絞ってその場に辿り着けたことにそれだけで安堵していたとさえ言える。