なぜ僕はポメラを許せないのか。

 ポメラ、リコールらしいですね。着払いで本体を郵送するとソフトウェアアップデートされるそうですが、辞書データも含めてバックアップを取っておかないと全くの記憶喪失状態で返されてしまうそうです。いったいいつの時代の機械なんだと思うのですが、今回は直接その話がしたい訳じゃないんです。
 僕はたぶん今まで他に買っていないガジェットを腐したことは無いと思うんですけど、ポメラってもう記事が出始めた頃から気に入らなくてしょうがなかったのです。で、基本弱気なんでマスコミ大絶賛な時期は黙っていて弱り目の時にたたいてしまおうかと。
 これ中途半端です。出来ることに制約が多すぎるし、そのワリに高すぎるし。今、STAPAVISIONのポメラ回見直していたんですけど、お二人は最終的に語尾は濁しながらも適正価格は9800円じゃないのという〆でしたね。僕の評価も同じです。といってもお二人は実税価格9800円でしたが、僕の評価は定価9800円実売6000円ですね。
 ATOK搭載ってバージョンアップもオンラインで出来ない製品、それこそ事務機器並に完成度の高い状態でなきゃ普通出荷しないでしょ。デザインももっさりしているし、キーボードの造りだって二つ折りギミックの作り込みも最近のガジェットのレベル、例えば携帯電話の完成度から考えると相当甘いですよ。トータルで印象を言うとちっともサイバーじゃない。ときめかない。
 事務機器だからしょうがない、実用性があれば良いじゃないという話もありますが、僕、KingJimのTEPRA PROのPCコントロールオンリー版使い倒してますけど*1あれは三年ぐらい前の製品だったけど発想がサイバーだった。デザインも割り切りが素敵だった。造りもシンプルだけどそこに思想を感じた。それはTEPRAというブランドにKingJimがかけた有形無形の努力の重さの顕れだったと思うのです。
 KingJimにとってのポメラは新しいフィールドへの挑戦と考えると不満点が多いのは当たり前。その心意気は嬉しい。出来れば今後も挑戦は続けていただきたい。
 むしろ腹立たしかったのはやけに無邪気に喜んじゃっていたマスコミおよびライター各氏の反応ですよ。この分野にはモバイルギアに発する黄金の系列がかつて存在していたじゃないですか。基準器はそこでしょ?

*1:主にケーブルが迷子にならないように名札付けに使っています。